20.プーラ
 
 
〔用途〕
◆プーラは、各種機械や自動車、船舶等々の修理をする時などにプーリやギヤーおよびベアリング等を軸や軸受箱から取り外すのに用いる工具です。
 
〔特徴〕
◆プーラの心棒の雄ねじは、摩擦抵抗を少しでも軽減し、作業を楽にするため台形細目ねじを採用すると共に先端のアダプタとの間には鋼球が装着されています。
 また、雄ねじ頭部を打撃してプーリ等を抜きやすくした構造のものもあります。更に、もっと軽い操作力(ギヤープーラの4〜5分の1程度)で作業ができる倍力機構のものもあります。
 
◆ギヤープーラの多くは、座金(リンク)を非熱処理(焼入れ無し)とし、荷重が掛かりすぎると他の部品よりも先に変形(伸びる)するようになっています。
 
◆爪の数は軽便な2本爪タイプと、より安定してつかむことのできる9本爪タイプがあります。
 
〔種類〕
◆プーラは引き抜き物の種類により、ギヤーやプーリ等を引き抜くためのギヤープーラ、ベアリング類を引き抜くベアリングプーラ、その他特定の機械部品等を引き抜く専用のものとに分かれます。
 また、機構や機能面では、ねじ式、油圧式、倍力機構付き、打撃式などがあります。
 
●ギヤープーラ
ギヤープーラは2本爪の「標準型」と、より奥行きのあるものに使える「長爪型」があります。また、爪が横にスライドする「スライド式」もあります。3本爪タイプは、サイズによって2本爪として使用できるものもあります。
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●ショックスピードプーラ
雄ねじ頭部を軽く打撃することにより、軸やプーリ等に震動を与えてねじの操作力を軽減するタイプで、打撃しても他の部品に衝撃が加わらず壊れない構造となっています。(安定度を保つために3本爪となっています)
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●ベアリングプーラ
ベアリングプーラには、ベアリングの外輪(外径)をつかんで引き抜くものと内輪(内径)をつかんで引き抜くもの、或いはこれらをセットにしたものがあります。
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●ベアリングセパレータ
ベアリングセパレータは、ギヤープーラ等でベアリングやギヤーを取り外す時に用いるアタッチメントです。ベアリングやギヤー等に傷を付けず確実に取り外すことができます。
 また、ギヤープーラの爪では引っ掛ける事のできないすき間の狭い場所にも使用できて便利です。
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●プッシュプーラ
プッシュプーラは、前出のベアリングセパレータ等を利用して、ベアリングやプーリ等の取り外しを確実に行います。
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●倍力プーラ
ギヤープーラ等では大きなねじ操作力が必要なため、実際には使用困難な大容量のものでも非常に軽い力で操作できるようにレバーやねじを上手く利用した構造となっています。
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●プーラの大きさ
ギヤープーラの大きさは、一般的に引き抜く事のできるギヤー等の直径を呼び寸法(ミリメートルまたはインチ相当)として表されています。
 標準型では75mm〜600mmの9サイズ、長爪型では100mm〜450mmの7サイズかあります。
 また、ショックスピードプーラでは125mm〜450mmの5サイズのものがあります。
 
〔使い方〕
◆プーリ、ギヤー、ベアリング等の被引き抜き物の直径(内外径)、幅(厚み)、形状および取り外ず力の大きさ等で作業に適した種類、サイズのプーラを選定して下さい。
 
◆必ず軸の中心にプーラを取り付けて、爪先をプーリ等に十分に弓っ掛けて下さい。
 
◆取り付け時および操作時は、取り付けたプーラが前後左右に傾かないようにして下さい。
(雄ねじに回転を与える時は十分に注意して下さい)
 
◆打撃式のプーラで打撃を与える時は、取扱説明書に従って正しく行って下さい。
 
◆使用中(作業中)はプーラおよびプーリ等の被引き抜き物をバーナー等で加熱しないで下さい。
(材料強度の低下等で破壊する恐れがあります)
 
注意
1. プーラおよびプーリ等をハンマ等で叩いて衝撃を加えないで下さい。
(プーラおよびプーリ等の破損や怪我の原因となります)
2. プーラ本来の用途以外には使用しないで下さい。
3. 割れ、欠け、摩耗、変形等の異常が認められた場合は使用しないで下さい。(特に座金が変形している時は、気を付けて点検して下さい)
4. 使用者独自で改造しないで下さい。(特に溶断や溶接等で加熱しないで下さい)