7.シノ付きラチェットレンチ
 
 
〔用途〕
◆シノ付きラチェットレンチは、ソケット部を正逆回転を切り替えでき、柄部先端がシノになっており、ボルト・ナット組付けや取り外しに使われ、またシノ部は、鉄骨、橋梁工事などでボルト穴を合わせるのに使われる他、鳶職の足場組みや番線締め等土木建設関連産業等に多く使われる日本独自の製品でしたが、近年外国ても多く使用されるようになりました。
 
〔特徴〕
◆ボルト・ナットの組付け時は、力を加える方向に爪を切り替え、時計回りの方向に回すと締まり、反対方向に回すとラチェット機構により空回りしますので、ハンドルをグルグル回転させたり、工具を何度も差し替えなくても、ハンドルを反復させるだけで締め付けがてきます。
 緩める場合は、逆の操作でできますので、狭い場所では大変便利な工具です。
 
〔種類〕
◆ラチェットレンチの種類は大別すると次の通りです。
 ラチェットレンチの回転切り替え機構により
 ●ピン式
 ●爪式
の2通りあり、用途により使い分けされています。
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◆片口ラチエットレンチと両口ラチエットレンチ
●片口ラチエットレンチ

 片側へ1サイズのソケットが出ている。
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●両口ラチエットレンチ
 両側に各々違う2サイズのソケットが出ている。
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●ロングソケットラチェットレンチ
 ソケットが標準タイプより長く、深い所にも使いやすくしてあります。
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●薄型ラチェットレンチ
 ロングソケットの逆で、狭い場所で便利なようにソケット部を薄くしてあります。
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●ショートタイプラチェットレンチ
 柄部を短くし、狭い工事現場や高所作業に便利です。
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●アルミ製ラチェットレンチ
 本体がアルミニウムで作られた軽量タイプです。
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●その他、用途に応じたいろいろなラチェットレソチも作られております。
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〔使い方〕
◆ラチェットレンチの使い方は、六角のボルト・ナットの対辺寸法に合った呼び寸法のものを使います。
 ラチェットレンチは上側からはめ込んで使います。浅く掛けたり、斜めに掛けたりすると外れて怪我をする恐れがありますので、キチッとはめ込んで使用すれば、外れる心配はなく安全です。
ボルトナットの締め、緩めの場合は、ハンドルを回して力を加える方向に爪を切り替え、ラチェット歯と爪が確実に噛んでいるかを、確かめてから使います。
 
◆爪の切っ替えは、図1のように確実に行って下さい。
 
◆ラチェットレンチは狭い場所でも、ハンドルを15度以上反復させることができれば、ボルト・ナットを締め付け、取り外しができます。
 
◆狭い場所で図2のように、爪が構造物に当たり、爪が切り替わる恐れがありますので注意が必要です。
 
図
 
注意
1. ボルト・ナットの対辺寸法に合ったサイズをご使用下さい。
2. ボルト・ナットに対して斜め掛け、浅掛けは大変危険です。絶対にしないで下さい。
3. 柄にパイプ等差し込んで過大な力を加えないで下さい。大変危険です。
4. ラチェットレンチをハンマ代わりに使用しないで下さい。
5. シノ部をたがねがわりに使ったり、細い所で無理に穴合わせをしないで下さい。
6. 工具の使用目的以外には使用しないで下さい。